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イン・ワンダーランド エンターブレインビームコミックス/初出09年

アリス不在の不思議の国を描いた作品。
というか主人公のエリゼがひょっとしてアリス?
一切の説明なしに、幻想的で不可思議な、動物やら魔物やらあれこれ共存のファンタジーの世界を淡々と描写なので、ついていけない人は最初からついていけないでしょう。
絵柄がまた独特。
細かい線を幾重にも重ねた作画は、何を描画してるのか、わからなくなることもあり。
技術は非常に高いと思いますが。
しかしこれ、男性が描いてるとは思えない。
ペンネームが男性なだけで実は女性なんだろうか。
それほど作品世界はセンシティヴで品がある。
ただ本作、おもしろいのか?と問われると微妙なところ。
ちょっとこういうマンガってないよな、とは思うが、読者を選ぶのは確か。
SF云々より、むしろ少女マンガが好きな人とかの方が受け入れやすく、ストライクかもしれません。


インワンダーランド・セット



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▲1968~北海道出身。


郵便屋 角川ホラー文庫/初出94年

みんな言ってると思うのだけど、こりゃつのだじろうの「恐怖新聞」である。
最後のオチまで同じ。
違うのは恐怖新聞が未来を予知するのに対して、郵便屋は過去を暴く、という部分ぐらいか。
最後、ああするしかなかったってのはよくわかるが、それでも突然の勧誘はやっぱりわけがわからない、と思う次第だ。
恐怖新聞のように、死をくぐり抜けた末ならともかく。
佳作賞、というのがうなずける内容。
あまり達者とはいえないながらもどんどん追いつめられていく主人公の狂気漂う描写は迫力があったし、惹きつけられるものもあったと思います。


郵便屋
▲1958~高知県出身。フリーライターを経て児童作家としてデビュー。後に一般小説に転向し、柴田連三郎賞、直木賞等、各賞を受賞。


角川ホラー文庫/初出94年

すでにホラー以外のジャンルで大きな成果をのこしている人なので、ホラーにこだわってどうこう、ってのは無いと思うし、この1冊だけではわからない、ってのは良く理解しているが、それにしても退屈だ。
満ち足りた主婦のぜいたくなわがままを、共感してもらえるであろう主婦層におとどけ、ってな感じの前半からして男性読者置いてけぼりだが、特に常世蟲云々で非現実性が加速していく後半、もっともらしさを上手に構築できてないからほとんど妄想である。
それでも新井素子の「おしまいの日」のようにあっ、と驚かされるラストが待ち受けていやしまいか、と期待はしたのだ。
最後まで妄想のまま。
丸焼けで全員トリップってか。
結局こりゃ恋愛小説なのかも、と思った。
己には本作を楽しむ資質がない。


▲詳細不明。イラストレーター。


乱刃(1巻) メディアファクトリーALIVEシリーズ/初出09年

さしずめネオ忍者活劇だの超絶時代活劇だの、いやこりゃスチームパンクだなどという御仁も居たりするかも知れないが、あたしにいわせりゃ「リングにかけろ」である。
リアリズムだのデティールだのはなから無視、見開きギャラクティカファントムでどれだけ衆目を集めることが出来るか、にすべてを託したマンガ。
もちろんライトなお色気もありますよ、と。
はたしてこれ、絵が巧いのか下手なのかあたしにゃあどうも判別がつきかねるが、イラストレーターらしい小洒落た雰囲気はある。
そこで騙されそうになるが、その実、なにもありませんから。
いや、本当に。
少年ジャンプ向きだ。
ジャンプでならもっと話題になったかも。
まあ大人が頑張って読むほどのものではありません。


乱刃・セット
▲1967~。93年、児童誌にてデビュー。03年からIKKIに連載された「RIDEBACK」がアニメ化もされるヒット。


ライドバック(1~3巻) 小学館IKKIコミックス/初出03年

まあ率直に言って、うわ、古いなあ、これ、と思った。
著者がセカンドインパクトをご存じなのかどうか知らないが、これはエヴァが存在しなかった世界でのガンダムに続くであろう作品である。
非常に80年代的、といってもいいかもしれない。
古き良きロボットアニメの系譜につらなるセンテンスがあちこちに散見。
まあもちろんエヴァを踏みしだいて進む必要もなければ、ガンダムに対する敬愛を押し隠す必要もないわけで、どこに立とうがそりゃ自由なわけであるが、それでもやっぱり巨大ロボをやるならもう少し独自の視点、設定を工夫して欲しい、と思うわけだ。
までも、そんなのほとんど無理なんだけどね、実を言うと。
ものすごい難題なわけです、新しいロボットものなんて。
学生運動をモチーフにイデオロギー闘争みたいなものを絡めてストーリーが進行していく辺り、ひょっとして確信犯でオマージュか?と思ったりもしないではないが、まあ多分突き詰めればこういうのが好きなので、といったところでしょうなあ。
手垢も一切気にしません、ってことなんだろうが、あたしゃ別にロボットアニメファンでもなんでもないので残念ながらパス。



▲同人漫画グループとして活動をはじめ、89年商業誌デビュー。「魔法騎士レイアース」「カードキャプターさくら」等ヒット作を連発する売れっ子。11年現在4人編成。


HOLIC(1~2巻) 講談社KCデラックス/初出03年

占いのような祓い屋のような謎の店を運営する次元の魔女と呼ばれる侑子と、侑子に興味を持たれてはからずもこき使われる羽目になるワタヌキ君の物語。
とりあえず2巻までの段階ではこのシリーズがいったどういう方向へ向かおうとしてるのかさっぱり分からず。
怪異譚にしたいのか、ファンタジーにしたいのか、ちょっと現実とはズレた非日常を描きたいのか、結局最後は世界規模で危機、とかやりたいのか。
妙に思わせぶりでやたらウンチクを披露する割にはデティールにこだわらなかったりするので、世界観はひどく不安定だ。
というかこのプロット、この設定でなにがおもしろいのか、あたしゃあよくわからない。
雰囲気だけで楽しむしかすべを見いだせない感じだが、人気作、ときたもんだ。
うーん、わからん。
絵が好きになれない、っていうのもある。
合作故のぎこちなさを感じたりもするのだが、そりゃ穿ちすぎ?
もうベテランだしねえ。
興味を持てない。
先を読む気になれず。



▲イラストレイター。同人活動もする。


ストレニュアスライフ エンターブレインビームコミックス/初出08年

毎回8ページほどの短編が24話分収録。
それぞれの短編につながりはないが、同じキャラクターが別の役割でもって別の話に出てたりはする。
第8、13、18、19、21話なんか結構好きだし、ファンタジックにSFな作風も良いとは思うが、なんとなく全体として印象に薄い。
どうも記憶に残らない気がする。
やはり絵柄のせいか。
きれいに整頓された絵だと思うし、こういう絵が好きな人は本当にたくさん居ると思うが、8ページのショートショートでインパクトを残すには至らなかった、とでもいうか。
現代漫画的に洗練され過ぎている気がする。
ああうまいなあ、とは思うんですけどね。
しかしこの作品が、雑誌の閑話休題的な役割だったのだとしたら、また話も違ってくるしなあ、と思ったりもするわけで。
ま、わたせせいぞうのように描けばよい、ってな話でもないのだけれど。
この作品に限ってはあまり面と向かってきらい、と言う人も少なかろうと思うので、己がウダウダ言ってることは無視して購入してもらって大丈夫だと思います。
長編を読んでみたい、と思う。




▲06年、アフタヌーン四季賞寡作を受賞し、デビュー。


イコン(1巻) 講談社アフタヌーンKC/初出11年

あんまり期待していなかったんだけど読んでみると予想外におもしろかった、ってのはある。
サトリの怪物をモチーフに、人を意のままに操る石板を持つ大学生の逃亡劇を描いた作品。
ここからあんまり世界は広がっていきそうにはないな、とは思うが、接触した他人の顔面や皮膚に、その人が思ってることが文字になって表れる、という設定はおもしろいな、と思った。
ああこれは漫画でしかできないよな、とちょっと感心。
キャラクターの目がやや大きめで、若干クセのある作画なので、そこで好悪が別れるかもしれないが、あたしゃそこは気にならない。
それよりも「怖さ」「不穏さ」を伝えなければならないはずのシュールな心象風景等のシーンが、全く怖くも何ともないのが気になった。
迫力ある絵を描くんだけど、その迫力が伝わってこないと言うか。
なんだろうこのパラドックス。
ラストであっ、と言わせて欲しいところですが、2巻でもう終わりだとか。
あんまり人気がなかったのか。
なにかひっかかる漫画ではあります。
ところでこの内容でなぜ「イコン(聖画像)」?



▲1963~兵庫県出身。83年LALA誌上でデビュー。「月の子」「秘密」など人気作多数。「輝夜姫」で小学館漫画賞受賞。


輝夜姫(1~2巻) 白泉社文庫/初出93年

こういう漫画じゃないかなあ・・と先入観があったのだが、読んでみるとその先入観そのままで嘆息。
なんとなくアイデンティテイ不在な漫画家だな、と思った。
過去に人気を博したあれこれからあれこれ拝借してるように思うのは、己が現役の少女マンガ読みでないからかもしれないが、それにしてもなあ、けっこうモロな気がするが、どうなんだろう。
あとはビジュアル系バンドファンかってな美形ばっかりがでてくるのがそらぞらしいのと、男女かまわず過剰な同性愛趣味が疲れるし、うっとおしい。
で、肝心のSFだが、2巻まで読んだ段階でその気配はほとんどなし。
多分リアリズムとか求めちゃいけないんだろうけど、現段階ではかぐや姫をモチーフにハイスクールな男女10人ほどが無人島でドタバタキャンプ生活、って感じ。
ちょっとインモラルな恋愛ドラマみたいなので恐ろしくページを費やしてるので、まあ、本筋は進まないこと進まないこと。
そりゃ完結まで20巻以上かかるわ。
SF以前に、おそらく少女マンガとして、人気を得る秘訣を徹底して計算し尽くしてるように思うので、これがダメ、と言うことは恐らく当時の少女マンガが全部ダメ、と言うことなんだろうと思う。
2巻で頓挫。
プロの仕事だな、とは思うが、興味を持てるかどうか、ってのはまた別の話。
とてもこの先20冊も読めません。



▲1964~東京都出身。85年、少年ビッグコミック誌上でデビュー。重機甲兵ゼノン、KAZE、鋼等人気作多数。


(1~2巻) 講談社アッパーズKC/初出98年

韓国、アジア圏でも絶大な人気を誇る作品らしいが、あたしゃ2巻でもう限界。
売れ線狙いの強固な布陣は女子高生主人公の露出高めのちょっぴりSFアクションという設定で完璧かと思われるが、いやはやもうツッコミ所が多すぎて。
キャラと設定だけで勝負、ですな。
それは正しい、と思う。
別にもっともらしいデータや知見の裏付けなんか必要ねえんだ、とする潔さは実際結果を出してるんだから、それでいいんだ、と思う。
ただあたしゃついてけない、と言うだけの話。
とりあえず御船千鶴子や宮本武蔵のヒトゲノムをいったい誰が採取したのか、と。
まあいいんですけど。
大友チルドレンっぽい絵柄だが、皆川亮二となにか関係があったりするんでしょうか。
それもまあいいか。
重機甲兵ゼノンと世界観を共有する話らしいので、お好きな方々でお楽しみ下さい。



▲委細不明。95年、デビュー。近藤一馬と組んでの仕事がほとんどだが、09年、原作者をつけて単独での連載をモーニングで始めた。女性。


デッドマンワンダーランド(1~3巻) 角川書店コミックエース/初出07年

原作近藤一馬。
いかにもバトルロワイヤル以降の作品、って感じだ。
ゲーム感覚で「死」の大安売りである。
それ故、どこまでいってもリアリズムに直結しない。
間近に「死」が存在する物語なのにこの空々しさはなんたることか、と思う。
少年マンガ的な友情だとか愛情だとかも描きたいみたいだが、「死」が安っぽいので死と隣り合わせの感情も、まあ見事に何の感慨ももてぬ絵空事な有様。
そもそもここまで追いつめられた状況でラブコメ風の演出なんて根本的に無理なわけで。
色んな意味でブレたおしている。
あたしゃ本気でいったいどのゲームの漫画化か、と思った。
辛辣に言うなら、何も書きたいことがなく、衝動もないのならもっと優秀な原作者を、と思う。
話題作ではあるが、創作において最も肝心だと思える部分で踏み込みが浅いように思う。



▲1971~東京都出身。「SHADOW SKILL」が人気を博しOVA化もされている。


ニライカナイ(1~2巻) 講談社アフタヌーンコミックス/初出99年

そもそもが広く一般のマンガ読者にも楽しんでもらおうとしてない作品だとは思うが、それにしてもこりゃきつい。
ものすごい時間をかけた作画なのはよくわかるし、伝奇SF的な知見も充分な下調べの痕跡が伺えるが、問題はそれを物語にまとめる能力が欠如していることにある。
それらしく外堀を埋めてデティールにこだわれば高品質なSFアクションになるか、と言えばそうではないわけで。
とりあえずなんかっつーと太字で「麗姿」とか「神道」とかコマ枠の外に大書きするのははっきり言ってやめた方がよい。
これはコマーシャルの手法だ。
ていうかギャラクティカファントム(リングにかけろ)だ。
オタクな露出にも辟易するが、ディフォルメが強すぎてちっとも女の子がかわいく見えないのも致命的だと思う。
作品にそそぎ込まれたであろう意気込みと情熱は評価するが、身の丈以上のことに手を出してしまった印象。
続きを読む気になれません。



▲1967~福岡県出身。88年ヤングジャンプ誌上でデビュー。デビュー作である「変」が人気を博し、「GANTZ」のヒットでその人気を不動のものにする。「GANTZ」は04年アニメ化、10年映画化された。


GANTZ(1~20巻) 集英社ヤングジャンプコミックス/初出00年

当代随一の人気を誇るSFアクションであり、著者の代表作と言っても良い作品だと思うが、実は個人的にはなにかとあれこれ懐疑的だったりする。
いや、おもしろいとは思う。
多くの読者が熱中するのもよく分かる。
でもやっぱりこれっていかにもプレステ世代のビデオゲーム感覚なマンガだと思うのだ。
著者はRPG的であることを嫌っているようだが、大枠でゲーム色濃厚なのはじゃあ構わないのか、とあたしゃあ思うわけである。
そもそも荒唐無稽であるところをいかに現実的にありそうだ、と思わせるのが優れたSFの手練手管だと思うが、それを、これはこういうルールの元に描かれたマンガですからまずはルールをふまえて下さい、とするのがバトルロワイアル以降のゲーム感覚の創作だと思うのだ。
まず間違いなく本作は後者の韻を踏んでいる。
まあそれでもDEATH NOTEのように悪徳を行使する喜びを描く事によって物語の舵取りを前代未聞の方向へ誘う手口もあるが、GANTZの場合描かれているのは真っ当に友情であったり勇気であったり、散りばめられたセンテンスは実に少年漫画的だ。
つまり己はこの作品にそれ以上のものを読みとれないでいる。
個人的な位置づけとしてはシャーマンキングとかあのあたりのジャンプ的少年マンガとほぼ同質。
それほど凄いSFマンガだどうだと騒ぐ内容では・・・と思うわけである。
とりあえず現在刊行されている28巻まで読むつもりだったが、途中巻で新たに死んだキャラクターが生き返るルールがGANTZに付け加えられるのにいたって急速に興味がしぼみ、以降放置。
リセットボタンかはたまたレイズか、やっぱRPGじゃん、と思うのだが、いかがなもんでしょうか。

▲広島県出身。94年、コミックドラゴン誌上でデビュー。「朝霧の巫女」が人気を博し、アニメ化。


朝霧の巫女(1~2巻) 少年画報社ヤングキングコミックス/初出00年

学園ものであり、ラブコメであり、妖怪退治もの。
3姉妹の巫女が大活躍、ってのはあまりなかったな、と思うし、伝奇的、オカルト的であることをないがしろにせずに過不足なくラブコメ、ってのも凄いな、と思う。
狙ってるのはポスト高橋留美子か、ってなスタンスだが、あれこれどこかアニメ的なのがあまり好きになれない部分。
六波羅機関の思わせぶりなシーンとかね。
アニメの影響を受けるのが悪いことだとは言わないが、アニメの手管を模倣することによって、既視感が生じるのがあまりよろしくないように思う。
先の展開に対する期待が失せるのよなあ。
なんてことない1人の少年の存在が世界を揺るがす、ってな「ひき」ももう色褪せちゃってるように思うのだ、あたしゃ。
少なくとも0年代にやることじゃない。
才能ある漫画家だとは思うが、物語に興味が持てない。



▲詳細不明


足洗邸の住人たち(1~2巻) ワニブックスGUMコミックス/初版02年

「俺の大好きなビデオゲームの世界や妖怪、モンスターを違和感なく同居させてやりたい放題描くにはどうすればいいのか」の結果がこのマンガだと思う。
設定は下宿もの風だが、めぞん一刻とかも好きでした、ってことなのかね?
はっきりいってつくりあげられたファンタジックな作品世界は結構杜撰だ。
それを杜撰に見せないためにあれこれウンチクを合間のページや最後のページで披露しているが、RPGじゃないんだからマンガ作品でその作品世界について最もらしく文章を紡がれても困るのである。
文章による多くの補足がないと成立しない、ってのはやっぱりある意味で放棄だと思うし。
それ以前の問題として人物から世界に至るまで、その素材や組立方に目新しさは皆無、と言うのはあるが。
自室に引きこもってPCの前に座ってるだけで全部作り上げられる世界。
饐えてる、ってのは言い過ぎか。
中にはどっぷりシンクロする人もいるだろう。
でもこりゃやっぱり意外性ゼロなところを強引にひっかきまわしてめくらまししてるだけ、という気がする。
キャラクターの細やかな心の機微やささいなドラマを演出するのは上手だと思うので、余分な装飾は取っ払ってもう少し趣味に寄りかからぬ仕事をすれば化けるかも、と思ったりはする。
現状ではこれ以上読めません。



星守る犬 双葉社/初出08年

「ナマケモノがみてた」の人だったよねえ、確か?と思わず記憶をまさぐる内容であった。
まあ多くの人達の支持を得るのはよく分かる。
特に熟年離婚だー派遣切りだーで、突然家庭に社会に寄る辺をなくした中高年には訴えかけるものがあるだろう。
犬好きもぐっ、とくるだろうなあ。
あたしゃロードムービー仕立てなのにぐぐっと惹きつけられたが、まあ物語自体はそれほど奇抜なものではなくて、ある種の王道ともいえる内容。
万人にわかりやすく涙を流してもらうための構図は完璧。
でも詰まるところ、結構くたびれたお父さんが主人公で、それもあり得る、というか、人気を博してしまう世相が感動を通り越してあたしゃ実に怖い、と思う。
年をとったらもうやり直しのきかない社会。
そういうことだよなあ、結局は。
でも犬は幸せだったよね、とつぶやく同居人に、ああそれが正解かも、と思ったりはした。




▲1964~兵庫県出身。劇画村塾出身。


リバーシブルマン(1巻) 日本文芸社ニチブンコミックス/初出09年

多分アイディアとして、体が内側から裏返った人間がいて、その裏返りを阻止するために皮膚をチャックで止める、ってのが先行してあったのだと思う。
リバーシブルマン、というイメージを形にしたかったのは分かるが、造形とかっこよさにこだわるあまり、それ以外のすべてがC級スプラッタ並のお膳立て、というのがどうにもこうにも。
ツッコミどころ満載。
とりあえず科学も医学も一切無視。
登場人物もなにかと杜撰。
そんなヤクザはいねえ、とだけ言わせて欲しい。
まあでも惜しいな、と思わないではないのだ。
基本こういうのは嫌いじゃないので。
せめてもう少しもっともらしさがあれば、と思う。
いっそのこと異世界での出来事、ぐらいにぶっ飛んでしまっても良かったと思う。
ゆるーいダークヒーローもの、と言った案配。
残念。


リバーシブルマン・セット
それでも町は廻っている(1~2巻) 少年画報社ヤングキングC/初出05年

メイドカフェ風のうらぶれた喫茶店で働く女子高生を中心に、学校生活や、商店街の人達とのドタバタを描いたご町内コメディ。
物語の構造からだけ論ずるなら、もう本当にこのタイプのコメディは歴史が古くてそれこそ「時間ですよ」ぐらいまで遡ることは可能かと思われるが、そこから大きく発展も進化もしていない、というのがこの作品の最大の難点か。
ギャグというか笑いの質が古い。
ドリフで止まってる。
さらに問題なのはそのドリフ系ギャグの演出がヘタだということ。
そのコマでキャラにそんな表情させちゃあダメだろう、とか、動きが変とか、要はコメディとしてあれこれぎこちない。
コメディに不慣れ、とでも言おうか。
でも人気作なんだよなあ。
個人的に評価できる部分はあまりないが、時代が一巡して今またこの手の人情コメディが求められだした、ってことなのか。
まあ、萌えに席巻されてしまうよりはいいですが。



▲1980~東京都出身。09年から連載が始まった「青の祓魔師」が人気を博す。


青の祓魔師(1~2巻) 集英社ジャンプSQ/初出09年

少年マンガだから、と手心を加えたにしても、目新しいものは全く何もない、と言わざるを得ない。
というかこれとハリーポッターはどこがどう違うのか、と。
「いや、ハリーポッターとは違うだろ」と言う人達のためのマンガ。
これでアニメ化ってんだから安いよなあ、と思う。
技術はしっかりしてるし、シナリオもしっかりしてるとは思うが、大人目線で読むにはきつい。
ファンには申し訳ないが数ヶ月後には内容を忘れてると思う。
やっぱりおいそれと少年マンガに手を出さぬ方が無難、と思った次第。



▲1967~熊本県出身。「俺たちのフィールド」「RED」等ヒット作多数。


ジエンド炎人(1~2巻) 講談社マガジンZKC/初出07年

著者自身が発案し、牽引したヒーロークロスラインという企画に属する作品。
他のマガジンZ作品のヒーローが作品の垣根を超えて縦横無尽に登場する、というもの。
東映マンガ祭りマジンガーZvsゲッターロボみたいな事をやろうとしているのだと思うが、問題はマガジンZ掲載作品にあまり知名度がなく、周辺作家の作品を全部読まないことにはその醍醐味は味わえない、といった部分。
新キャラが出てきてもそれがどの作品の誰なんだかさっぱりわからない。
ひょっとしてこりゃ新手の抱き合わせ商法か、と思ったりもしたが、それ以前の問題として、作品自体がやっぱり散漫。
次はあのキャラを出さなきゃ、って計算が物語の醍醐味を阻害してる。
企画はおもしろいと思うが、色々無理があった気もする。
ジエンド単体で、じっくり読みたかった、と思う。


ジエンド・セット



仮面ライダーSPIRITS(1~2巻) 講談社マガジンZKC/初出01年

村枝流の新たな仮面ライダー像の創出か、と思っていたら、そこまで気負ったものではなく、むしろリバイバル的に歴代ライダー総集合で漫画化、という様式だったので、半ば失望で半ば予想通り。
これはこれで良いとは思う。
少年時代をライダーとともに過ごした諸兄にとってはわかっていても胸の熱くなるシーンが満載だ。
そのあたりのツボはきっちり心得ておられる。
しかしながら仮面ライダークウガ以降のライダーシリーズの恐るべき進化ぶりを観ていると、映像作品よりは経費も人員も必要のない漫画が、単に石森ライダーリバイバルで良いのか?と思ったりはする。
冒険はない。
その冒険のなさを読み手がどう解釈するか、でしょう。
決して嫌いではないが、あたしゃやっぱりクウガもダークナイトも観ちゃった後なので、特定の年齢層にアピールするだけで終わってしまう守備範囲の狭さが気持ちを高ぶらせなかったりはする。




センゴク(1~3巻) 講談社ヤンマガKC/初版04年

時代劇であることより、青年マンガであることが先んじている作品。
別にそれが悪いとは思わないし、あたりまえじゃないか、と憮然とされる諸兄も大勢おられるかと思うが、実際中身はサラリーマン金太郎なのに装いだけ時代劇にされてもあたしゃ困ってしまうのである。
時代劇を読みたくて手にとったわけであるから。
だからこそのロングラン、ヒット作、なのだろうけど、まるで興味が持てません。
お好きな方達でどうぞ。



▲1951~京都府出身。76年ガロ誌上でデビュー。俳優、タレントとしても活躍。


夢の贈物 東京三世社/初出81年~

本当にもうガロ系で片ずけるのが楽で良いし、この手の作品を論評する言葉をあたしゃ持たないのだけれど、「ある転落」から始まって「まぶたの母」へと続く連作はちょっと侮れない独特な心理劇で、さすがにこれはガロ敬遠派といえど無視できない。
なんせロボットと人間の混血児が、自分の頬にビニールの緩衝材(プチプチ)を貼って、人間のニキビを模倣する話である。
しかも彼は毎晩その緩衝材を自作する。
液体入りで。
やがて彼は不登校となり、冷蔵庫にこもるようになる。
しかしその冷蔵庫が実は・というストーリーだが、文章で読むといったいそりゃなんの話だ?と言いたくなるほどシュールだなあ。
もちろん本編もシュールなのだが。
己が驚かされたのは、本作がただシュールなだけでなく、なにゆえ混血児はビニールを頬に貼り付けるに至り、冷蔵庫へと帰納したか、をきちんと理詰めで、胡散臭くも精神分析学的に解き明かし、なおかつその背景に混血児誕生のドラマを絡めて描いてみせたことだ。
怪作、としか言いようがない。
SF的素材を科学抜きで大胆に操り、そうすることで心のメカニズムに迫った異形の作品。
多分これは著者にしか描けない。
「嘆きの天使」も残酷でよし。
好き嫌いが別れる、とは思うが最近の粗製濫造された似たりよったりしかしらない若い読者はこういう作品は衝撃的なのでは、と思う。


夢の贈物
▲1967~長崎県出身。「南国少年パブワくん」がアニメ化もされるヒット。


未来冒険チャンネル5(1~4巻) 徳間書店アニメージュコミックス/初版95年

一部で根強い人気を誇る作品のようだが、未完。
5巻まで刊行されているが、あたしゃ4巻で頓挫。
本当にファンには悪いが、こりゃひどいと思う。
スペースオペラ的なものを指向してるのだと思うけど、なにもかもが雑。
とりあえず惑星ブルー、ブラック、グリーン、グレイ、レッドはないだろう。
戦隊ヒーローものじゃないんだから。
なにがどう嘘臭く子供だましでも、絶対ここだけは適当にやっちゃいけない、って部分を著者は次から次へとないがしろにしている。
デティールにこだわらないのにも程がある、というか。
結局ジャンプバトルマンガ的なところに帰着するのだとしても、もう少しもっともらしさを、と思う。
現状ではすべてが著者の思いこみだけ。
なぜそうなるのかさっぱり分からないままスペース里見八犬伝。
SF西遊記スタージンガーか。
なんか微妙にボーイズラブ風なのも鳥山明が風邪をひいたような作画も好きになれず。
多分本来はもっとコミカルな作風を得意とする漫画家なのだと思う。
他の著作は読んだことがないが。
SF/ファンタジー的なものにあまりに不案内、というか勉強不足が露呈した作品。
正直辟易。


▲1962~鹿児島県出身。後に秋恭摩に改名。


魔神伝(1~2巻) 徳間書店少年キャプテンコミックス/初版86年

厳密にはタイトルは「神」の下に「人」を組み合わせて魔「じん」伝と読ませるが、そんな字はないと思うので、おそらく当て字。
しかしペンネームの慎一が魔獣戦線の慎一からとったものだとは調べてみるまで気づかなかった。
いやあ、お好きだったんでしょうなあ。
作品の内容もいうなればソレ系。
時代を鑑みるに、伝奇バイオレンスブームまっただ中の、その影響下にある作品、と定義して良いか、と思うが、実は本作、侵略SFというか、20億の針のようであったりもする。
好きなものを全部詰め込みました、ってな印象。
異世界ファンタジーや、変身実写ヒーローもの的な要素もあり。
ここまで節操がないのは本当に珍しいと思うが、その混沌ぶりこそが本作の魅力と言われればそうかも。
難点はそれぞれのキャラクターのバックボーン、人物像が全く見えてこない事と、その卓越した戦闘能力の由来が不透明なこと。
特に主人公の力と結城にそれが顕著。
なにかというと超絶的な格闘シーン。
あとは女性キャラの作画がなんだか70年代のエロ本みたい、ってのが個人的にはひっかかった。
夢枕、菊池が大好きでその世界観をマンガでこそやるべき、とした意気込みは買うが、どうしても突き抜けないマイナーさは拭えず。




よいこの黙示録(1巻) 講談社イブニングKC/初出10年

一体何をやりたいのかさっぱり分からないマンガだ。
精神的異常児ともいえる伊勢崎の子供らしからぬたくらみを描きたいのか、祝福王のように宗教そのものを描きたいのか、異常なクラスを受け持った新任教師の苦悩を描きたいのか。
意味なく新任教師の露出過剰も理解不能。
あえて先がわからないように描いているのかもしれないけど、よくわからない分食いつきが悪いのでは、と予想する。
ま、己のことですが。
問題なのは上記したどの方向に本作が向かっても個人的に興味が持てないだろうなあ、と思える部分で、早い話がおもしろいと思えない。
多分好きずきの問題だと思うので、こりゃもうどうしようもない。
新人にしては安定した創作だ、とは思います。




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